『篤姫』がとうとう終わった。寂しい。
元々私はドラマそのものをほとんど見ない人間で、とくに大河ドラマを含めた時代劇というジャンルが昔から大の苦手だった(松竹がつくる近年の時代劇はなかなかいいと思う)。
大河ドラマはちょうど日曜日の夕食どきのこととて、大河ファンの家内が熱心に観ているものを、無理にチャンネルを変えるわけにも行かず(チャンネル権は家内に譲ることにしている(^^;)、仕方なく大河ドラマ独特の仰々しい演技を横目で見ながら夕食を摂ることになるのだが、これがけっこう辛いのだ。
ところが、この篤姫だけは最初から引き込まれ、最後まで観続けた。そして毎回泣いた(泣かされた)。大河ドラマでこんなに入れ込んだのは初めてのことで自分でも驚いている。いや正確に言うと前々回の『新撰組!』もかなり熱心に観たが、これほどではなかった。
視聴率も近年ではかなり高かったようで、いわば「篤姫ブーム」といったような社会現象を引き起こしたようだ。
なぜこれほどまでに成功したのか。その理由はすでにあちこちで書かれているし、私の守備範囲でないのでここでは書かないが、配役(宮崎あおい他)、脚本(田渕久美子)、演出、美術すべてが見事なアンサンブルを奏でた結果であることは間違いない。
しかし私はこれにもう一つ吉俣良の音楽を付け加えたい。彼の音楽の貢献も計り知れないように思う。ちょうど宮崎アニメにおける久石譲の音楽、あるいは『ALWAYS 三丁目の夕日』における佐藤直紀の音楽を想起させるといえば大げさか。いやそれらに勝るとも劣らぬ、ドラマの流れによくマッチした情感豊かな美しい附帯音楽だった。印象的な旋律も多く、今でも篤姫のドラマのシーンを思い浮かべるたび、それらの美しい旋律が私の耳に甦る。
サウンドトラックCDも2点出ている。
こちらは完全版DVD。